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自己信託:信託に関する受益者別(委託者別)調書の提出について

はじめに

信託において、委託者と受託者が同一人物である場合は「自己信託」と呼ばれ、相続対策の場面等で活用されます。通常は受益権を子などの相続人に贈与するケースが多いと思います。この場合の信託に関する受益者別(委託者別)調書の提出について簡単に説明します。

信託に関する受益者別(委託者別)調書の提出事由

以下の場合に提出が必要です。

  1. 相続税法第59条第3項第1号に規定する信託の効力が生じた場合 効力発生
  2. 相続税法第59条第3項第2号に規定する受益者等が変更された場合 受益者変更
  3. 相続税法第59条第3項第3号に規定する信託が終了した場合 信託終了
  4. 相続税法第59条第3項第4号に規定する信託に関する権利の内容に変更があった場合 権利内容変更

提出期限

当該調書を提出すべき事由が生じた日の属する月の翌月末日までに提出が必要です。

提出義務者

信託の受託者

受益権の贈与があった場合

問:相続対策のため受益権の贈与があった場合、この調書の提出は必要でしょうか。

答:上記Dの事由により提出が必要

解説

信託の受託者には、信託銀行や信託会社などの金融機関が就任することが多いですが、自己信託の場合は個人が受託者になると思います。税務署にも問い合わせし、自己信託の仕組みを詳しく解説(最初はよく分かっていませんでした)した上で上記の回答を得ました。受益権の贈与は「信託に関する権利の内容に変更」にあたるようです。

補足

提出期限が提出すべき事由が生じた日の属する月の翌月末日なので、例えば信託財産が取引相場のない株式である場合、課税時期の路線価や業種目別株価を採用出来ないケースがあると思います。この場合、調書に記載する財産の価額は見積金額(直前の数値を用いるなど)でいいそうです。

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