ふるさと納税で純金の返礼品をもらうのは得か?換金性と課税を税理士が解説
ふるさと納税で純金をもらうのは賢いのか?
ふるさと納税で純金の返礼品をもらった、という投稿が話題になるのをよく見かけます。
所得額にもよりますが、ふるさと納税を活用すると、純金の小判のような記念品やジュエリーを、実質2,000円の自己負担で受け取れるケースがあります。
たとえば、金の価格を1gあたり26,027円(2026年3月31日時点)とすると、3gの金の地金価値はおおよそ78,081円です。田中貴金属の公表価格ベースでも、当日の店頭小売価格はこの水準です。
仮に、寄附額315,000円の返礼品が純金3g相当だとすると、
78,081円 ÷ 315,000円 = 約24.8%
となり、還元率はおおむね25%前後という見方になります。
私の考え
私は、アンティークや記念品としてはあり、投資としてはやや微妙だと考えています。
なぜかというと、実際にこのような返礼品を換金しようとした場合、純粋な金3gの相場どおりでは売れない可能性があるからです。
特に、純金の小判、記念品、ジュエリーなどは、一般的な**地金(インゴット)**とは異なり、必ずしも「その日の金相場 × 重量」でスムーズに買い取ってもらえるとは限りません。工芸品や装飾品としての性格が強いものは、評価が分かれやすく、地金より換金性が落ちることがあります。
そう考えると、ふるさと納税では米・肉・日用品などの生活必需品を受け取り、家計で浮いたお金で、あらためて換金しやすい地金やETFを買うほうが、投資としては合理的かもしれません。
つまり、
アンティーク・記念品としては〇
投資商品としては△
これが私の考えです。
返礼品でもらった純金を売ったときの課税関係
ここは少しややこしいのですが、受け取ったときと売ったときで分けて考えると整理しやすいです。
1.受け取ったとき
ふるさと納税の返礼品による経済的利益は、一時所得に該当します。国税庁も、ふるさと納税の謝礼として受け取る特産品等の経済的利益は一時所得になると示しています。収入時期は、原則として返礼品を受け取った日です。
一時所得には特別控除50万円があるため、その年に他の一時所得が多くなければ、受取時点では課税が生じないケースも多いです。
2.売却したとき
その後、返礼品でもらった純金を売却した場合、原則として譲渡所得になります。金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として総合課税の対象になると国税庁が案内しています。所有期間が5年以下なら短期譲渡所得、5年超なら長期譲渡所得です。
譲渡所得の基本的な考え方は、次のとおりです。
売却額 − 取得費 − 売却手数料 = 譲渡所得のベース
ここで重要なのが取得費です。取得費が分からない場合は、原則として売却額の5%を概算取得費として計算することができます。国税庁も、取得費が不明な場合や実額が5%より少ない場合には、譲渡価額の5%を取得費とできるとしています。
実務上は、受取時に一時所得として認識した返礼品の価額を、後日の売却時の取得費の参考資料として残しておくことが大切です。
終わりに
2025年以降、金をはじめとするコモディティ価格の上昇が目立っています。
資産保全の観点から金を持つこと自体は選択肢の一つですが、ふるさと納税の返礼品として純金を選ぶことが、そのまま有利な投資になるとは限りません。
現物で持つ安心感はある一方で、防犯や保管の問題もあります。そうした点まで含めると、ETFなどを通じて金に投資するという考え方も十分ありだと思います。