税理士事務所に対する不満について調べてみました
はじめに
社長は税理士事務所にどんな不満をもっているのか?
あるコンサル会社の方が、アンケートを取ったところ、下記の結果になったようです。
1位「サービスが不満」:49%
2位「コミュニケーション不足」:34%
3位「価格が不満」:17%
もう少し広く、掘り下げたデータが見たいと思って、自分でも調べてみることにしました。
Googleの口コミでリサーチ
顧問先の解約理由を集めたサイトなどがあったら面白いと思ったのですが、そんなものはなさそうですね。
クラウドワークスで「税理士への不満を詳細に教えてください 〇〇字以上 〇〇円」みたいに募集を出せばある程度データがとれるのでしょうが、とりあえず無料で簡単にできそうなgoogleマイビジネスに書いてある口コミを拾ってみることにしました。
そういえば、税理士紹介のポータルサイトは腐るほどありますが、顧問税理士への不満を吸い上げたデータを蓄積したら差別化できそうですね。影響力を持つポータルサイトになるために、独自のデータベースを持つことは有用だと思いますので(誰かやって下さい)。
という訳で、僕が住んでいる熊本市と東京都のある地域でGoogleの口コミを集めてみました。
結果
実施日:2020年11月18日
データの個数:22個
300事務所以上は確認したのですが、そもそも口コミがついている税理士事務所自体が少ないので、不満についても十分なデータが取れなかったですね。
一部を紹介します。
接遇最悪 |
対応がとても遅く、なのに横柄でとても不誠実に感じました。 |
レスポンスの遅さ、顧問料の高さなど細かい部分で他にも不満は多いですがここには書ききれないのでこれくらいにしておきます |
メールの返信に一週間以上かかるなど、非常に悪い対応でした。 安くない顧問料を支払う |
高い顧問料にも関わらず仕事内容は本当にずさん |
対応が悪い |
グループ化
この22個をグループ分けしてみると。税理士への不満は以下に集約されました。なお、口コミの内容で特に地域差は見られなかったので、熊本市も東京都も一括りにしてグループ化しています。
- 接遇態度:45%
- レスポンスの遅さ:18%
- 価格の高さ:18%
- サービスの内容:9%
- 上記に区分できないもの:10%
以上のように、圧倒的に接遇態度が多かったです。前述のコンサル会社の調査とは異なる結果になりましたが、コンサル会社の調査は「社長への不満」で、Googleの口コミは社長に限らない不満なので、それが違いに反映されているのかもしれません。
具体的には、電話の応対が悪い、横柄、話を聞かない、めんどくさそうに対応された。などなど…
もちろん、お客さん側に問題があるケースもあると思いますが、自戒の念を込めて接遇態度には気を使おうと改めて思いました。
また、レスポンスの遅さに不満を持っている方もそれなりに多いようですね。
税理士変更の営業について
ここで終わっては面白くないので、税理士の営業の話に無理やり繋げてみます。
営業先を「既に顧問税理士がいる方」と「これから税理士を探す方(開業など)」で分けると、圧倒的に後者の方が営業コストが低いでしょう。
私見ですが、既に顧問税理士がいる方が不満を抱えているとしても「不満はあるが、変えるまでには至らない」というケースは多いと思います。変えたい(want)という欲求があっても、必須(need)ではなく、年度を通してなんとなくオペレーションが回っていれば「まぁいっか」となるからではないでしょうか。税理士の仕事の品質は見えにくいので、顧客の立場からしたら、税理士を変えて本当にメリットがあるのかどうかも分からないのかもしれません。それだけ税理士変更のハードルは高い気がします。
「もう何十年もお願いしているから…」などの理由で、一定の不満はありつつも、税理士とお付き合いをされる方は多いように思います。一度顧問契約を結ぶと、解約されるリスクは低い仕事だと思います。逆に考えると我々はいい商売をしていますね。それでもある一定の閾値を超えてしまったとき(税理士が重大なミスを犯したなど)に、needの欲求が高まって、ここでやっと税理士を変更しようとなる気がします。
従って、一般的には「これから税理士を探す方(開業など)」に営業をかけるケースが多いですよね。その方がコンバージョン率も高いはずです。設立間もない法人に片っ端からDMを送ったり、これから起業をする方向けのセミナー等に顔を出して営業をするケースはよく聞きます。
逆に「既に顧問税理士がいる方」に営業をかける場合は、どう営業したら効率的なのでしょう。
先ほどの口コミでも価格への不満がそれなりにあったように、低価格路線で攻めているところは、一定の成果があるのではないでしょうか。口コミを参照すると、レスポンスの速さを押し出してもいいですね。あとは特化している業種に絞って、独自の強みを打ち出せる事務所はコンバージョン率が上がるのではないでしょうか。
しかし、不満を持っている層にリーチしようとしても、不満を持っている層が誰だか分からないので、やはり僕の中では営業コストは高いですね。片っ端からDM送ったり、テレアポしたり、飛び込み営業したりするのは、非常に効率が悪い気がします。
過去にはやったことありますが…。皆さんはどうされているのでしょうか。

この記事を書いている最中に、不満を持っている層をどう探して、どうリーチしていくか、天才的な結論を導き出したかったのですが、見事に出ませんでした。さすが凡人、今日も自分のスペックの低さにビックリ。
営業が上手な方にお話を聞いてみたいですね。
参考
【税理士の選び方】起業したら税理士は必要か?という記事を書きましたので、こちらもご参考までに。
高木誠