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税理士試験での失敗を振り返って

はじめに

税理士試験に関して、今の受験生に何か有益なアドバイスが出来るわけではないですが、自分が受験生の頃に失敗したと思うこと、失敗を克服した方法を覚えている範囲で書き記しておきます。

僕の失敗談

一番間違っていたなと感じるのは、問題の解き方と時間の使い方です。

僕は、試験問題を問題用紙の一枚目から順番に、バカ正直に、解いていって、分からない問題にぶち当たると、必要以上に考え込んでしまい、なかなか問題を飛ばして次にいけないタイプの受験生でした。

 

日頃、TACの先生や友人が「解けそうなとこから解け」と言っていたのを頭では分かっていても、頑なに一枚目から順番に解いて、解けないところを切り捨てるのに時間がかかっていました。とにかくそうしないと気が済まない性格でした。

 

教科書での学習もそうです。およそ試験とは関係のない細部のマニアックな論点も、疑問に思ったら解決しないと気が済みませんでした。試験においてはあまり必要のない頑固さだったなと思います。どうしても割り切って次に進むことが出来ませんでした。

 

今思うと、駄目な意味で生真面目だったというか、負けず嫌いだったと思います。合格点の60点を目指すのではなく、限りなく100点に近い点数を目指していたような、自分だけ違うゲームに挑戦しているような感覚に陥っていました。

 

元メジャーリーガーの野茂英雄選手は、「5対0で勝っているときは、あと4点取られてもいい」と考えていたようです。完封(0点に抑える)より、勝つことに焦点を置いていると見受けられます。

 

税理士試験も、60点ないしは合格率に常に焦点を置いて時間を使うことが大事だと思いました。

 

何かにフォーカスするということは、何かを捨てること

最後に受かった年は、何かを捨てることに成功した気がします。

 

税理士試験は、相対的な評価の試験であり、「人が解けないとこを解けたら受かる試験ではなく、人が解けるところを解けないと落ちる試験」です。

 

言い換えると、「〇をいかに多くとる試験ではなく、✖をいかに減らすかの試験」だと思います。

 

真面目に1年間取り組んでいたら、何を捨てるべきかは自ずと見えてくるはずです。

ほとんどの受験生が解けないであろう箇所というのは、問題をちょっと眺めれば見えてきます。逆にそれが分からないなら、実践が足りない、合格レベルの域に達していないとうことだと思います。

2時間の試験で考えていたこと

試験開始と同時に周りの受験生は、一斉にペンを取り、問題用紙に解答に書き始めます。特に税法は理論から解く方が多いので、ものすごい勢いで問題用紙に文字を書く音がカタカタ聞こえてきます。

 

僕は合格した年、まず3~5分くらいかけて、問題全部を一通り眺めるようにしました。普段練習問題を解くときからこのスタンスで訓練しました。ここで「落としていい、後回しで最後の方にやればいい」という問題を整理し、問題用紙にメモをしておきました。

 

最初に交通整理を行うイメージです。とても冷静になれる時間で、この時間が好きでした。

他の受験生が焦って書いている様子も俯瞰して見れていました。

まず平均点の答案を作る

ここから先は感覚的な話になりますが、

僕は、最初の1時間半~1時間45分くらいで平均点くらいの答案を作ることを目指しました。

前述のとおり、落としてもいい問題、後回しにする問題は解かず、先に確実に解けるとこをひたすら解いて、平均点の答案を作ります。最初に交通整理ができているので、スムーズにいきますし、作業のような感覚です。

 

もちろん「やっぱりこれは解けないな」と思う箇所も出てきますが、躊躇せずに飛ばせるようなメンタリティになっていました。

最後に人よりちょっといい点数の答案を作る

平均点くらいの答案を作れたなと思ったら、あとはそこからプラスα得点できたら受かるだろうと考えていました。人よりちょっといい点数を取ればいいんです。このちょっとで10%のラインに入る必要があるので難しいところなんですが…これも真面目にやってたら感覚的に分かってくると思います。

 

このように残りの15分ないし30分の時間で、人よりいい点数の答案を作るように心がけていました。

重要なのはここまでの一連の流れで、途中で躓いたり、精神的に焦ったりすることが全くないので、気持ち的にも余裕があります。

 

それまでに落ちたときの試験では、とにかくひたすら解いて、あっという間に試験が終わっていた感覚でしたが、受かった年は、最初から最後まで自分で2時間をコントロールできている感覚がありました。普段からの訓練も活きたと思います。

もちろん臨機応変に

税法は基本的に理論に50分以上、かかっても55分かけないようTACの先生に言われていましたし、自分自身も納得していましたが、これも原則であって、不変的なものではありません。

 

僕が相続税法に受かった年は、理論に60分くらいかかる問題でした。

交通整理の段階と、実際に解きながらの感覚で「この理論は解けないところがない、でも60分くらいかかる」と判断しましたが、途中で計算に切り替えず、60分かけてやり切ることにしました。

それまでの僕なら、計算問題で「時間がない、理論やりすぎた」と、焦るところですが、最初に交通整理をしているおかげで、冷静に計算問題を含む全体像が見えており、まずは平均点を目指すことに注力できました。

 

自分の焦点が「理論を50分やって計算を70分やる」ではなく、「まず平均点の答案を作る」だったので、50分の原則を捨てて、確実に平均点に近づけるための行動ができました。

最後に

皆さんそれぞれのスタイルがあると思うので、参考にならなかったかもしれないですが、僕の失敗談と克服の経緯は以上です。

 

「何かにフォーカスするということは、何かを捨てること」。これは実務でも非常に活きてる税理士試験で学んだ感覚です。人生は朝露の如し、とても儚く短いものです。自分の大切な時間、大切なことに使った方がいいかなと思います。

 

また、過去に税理士試験と大学院の話も記事にしていますので、もしご興味があれば👇

 

 


高木 誠